振袖を彩る 

先に染めた糸を織っていくカジュアルな「先染め」のきものに対し、振袖などフォーマルなきものは、白生地に後から色や文様を染める「後染め」のきものといいます。後から白生地に色や意匠を描き染めるので、絵画のような礼装らしい豪華で自由な表現ができます。代表的な技法として、華麗な絵柄が特徴の友禅染、型紙を使う型染、布を糸でくくり文様を出す絞り染、ゴージャスな金銀箔工芸などがあります。この染織技術の多様さが、世界でも類を見ない美しい衣装とされる所見です。振袖の製作はそれぞれの専門の職人たちが何十工程もの手間ひまを創り上げていきます。

二十歳を祝う振袖は、ただ美しいだけではありません。日本の誇る染織の技。ひとつ一つに意味を持つ彩りと意匠。人間の情熱が凝縮された一枚なのです。あなたの装う振袖に込められたたくさんの思い。もう一歩踏み込んで、もっと深いその魅力に触れてみてください。

 

P1050906絞り染

糸で布をつまんだりくくったり、縫い締めたりする手作業を、果てしなく繰り返して小さなシボを作り、色を染めた後で糸をほどくと、美しい染め抜きの模様が現れる技法です。括り染、ろうけち、目染めともいい、古くは奈良時代の正倉院宝物の染織にも見ることのできる日本最古の染です。特に総絞りのものは、細かい作業のため、大変な時間と手間がかかる贅沢なものです。

 

P1050895友禅染

友禅染には京都で生産される京友禅、金沢の加賀友禅や東京友禅などがあります。その中でも代表的な京友禅。その日本画のような多彩な染め模様は、友禅染の祖といわれる江戸時代の扇絵師、宮崎友禅斎が考案した「友禅糊」によって生まれました。図案から始まり、糸目糊置き、彩色、蒸し、手洗いなど、手間のかかる工程はすべて専門の職人によって行われます。

 

P1050882辻が花染

絞り染のひとつ、辻が花染。絞り染した輪に色を挿したり描いたりする、幻想的ではかない美しさの表現が特長です。室町、桃山時代のわずかな時期に現れ、縫いや金銀箔が施されて豪華なものに発展しましたが、しばらくすると途絶え、近年まで幻の染といわれてきました。刺繍や摺り、箔をあしらった華やかなものもあります。

 

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箔は金銀、プラチナなどの貴金属を、薄く平らに延ばしたもののことで、主に美術工芸や装飾に使われる、日本の工芸の大切な技法です。また、様々なかたちに裁断、貼付けをして、屏風やきものや帯に用いられます。そのきらびやかでゴージャスな金銀のイメージは、晴れの日を祝うフォーマルのきものにはかかせない加飾技法の一つです。

 

P1050893金彩

金彩は、金粉などで模様を表す技法です。金加飾とも呼ばれ、染をより華やかにするためにかかせないものです。同じ金銀の加飾技法でも、箔の技法がどちらかというと貴金属の面積でその美しさを表現するのに対し、金彩は、細やかなデザインの表現が多く見られます。金の輝きを、絵の具のように使い、筆でのびやかに自由に描かれることも多くあります。

 

P1050886刺繍

絹糸と針で絵のように刺し描く刺繍の技術は、古くは大陸から仏教とともに伝来しました。そして江戸時代初期の頃に様々な染と出会って、飛躍的に発展します。絹糸に撚りをかけたり、複数の色糸を組み合わせたりして、光沢や色彩の立体感を表現します。刺繍の技法は駒縫いや佐賀縫いなど種類が多く、多彩な伝承の手技が生きています。

 

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